前回まで、著作物は他人のいわば財産であり、他者の創作した著作物を使用する場合には、事前に許諾を得ることが必要であること、許諾を得る相手は著作権者であること、著作者人格権に関係するような使用をする場合には著作者の同意が必要であること等を説明してきた。著作者と著作権者は同じであることが多いが、財産的な権利である著作権は譲渡することが出来るので、著作者と著作権者が別の場合もあることも第2回で解説した。では、著作物を使う際に許諾を得るには具体的にどのようにしたらよいか。著作権に関していわば素人である一般の方々は、この点が一番分からないところであり、知りたいところであろう。これが良く分からないのでどうしても、「どうしたら許諾を得ずに著作物を使うことができるか」「この程度なら許諾を得なくてもよいでしょう」という質問が出てくることになるのであろう。実際に法律(著作権法)では、許諾を得なくても著作物を使っても良い場合が定められている。今回は、この点について解説する。
2009.05.13 (Wed) at 9:34 PM | コメント (0) | 投稿者:トクダ
第2回では、講演やセミナーでは、「どうしたら許諾を得ずに著作物を使えるか」という質問が多いと書いた。さらに、「この程度なら使っても大丈夫ではないか」という質問も多い。許諾の際には、何らかの許諾料を支払うことが通常であるが、許諾料そのものの問題以上に、何とか許諾をとらないで済ませたい、という考えの人が多いようである。これには、許諾料が分からないので、許諾を求めたら相当な金額を要求されるのではないかという「恐れ」もあるようだ。さらに、インターネット隆盛の現代において、ネット上では無料で様々な情報や資料を手に入れることができるし、ちょっとしたパソコンの知識があれば、ブログやホームページを通じて個人が自由に情報を発することができる。情報発信という点では、日々技術的な壁が低くなり、本当に誰でも簡単に発信ができるようになってきている。物理的には、発信する情報の中で他人の著作物を使用することは極めて簡単であり、その方がブログやホームページの内容が豊かになることが多い。そのため、手軽に他者の著作物をネット上で利用したいという人が多いのも現実である。
2009.01.29 (Thu) at 5:32 PM | コメント (0) | 投稿者:トクダ
第1回では、著作権とは著作物について著作者に権利を与え、著作者を保護するシステムであり、著作権とは、一口に言って「自らの著作物を他人に勝手にされない権利である」と著作権制度の基本を説明した。この権利は、前回も書いたように、著作物のあらゆる使用方法について与えられているということではない。社会のシステムに応じて必要に応じ使い方毎に著作者に「支分権」として与えられている。但し、現行の著作権法では現在行われている著作物の利用のほとんど全てについて権利が与えられているので、通常、著作物を使用する際には、著作権者(著作権は著作物が出来上がると同時に著作者に与えられるが、著作者人格権以外の財産的な著作権は他社に譲渡することが出来るので、著作者と著作権者が違うケースが出てくる)の許諾を得ることになる。
2008.06.11 (Wed) at 9:33 AM | コメント (0) | 投稿者:トクダ
テクノアークしまねは、地域からの情報発信を目指す映像コンテンツ作成の支援を、ハード、ソフト両面から行っている。その一環として行われた著作権の講習会で講師を務めた。今年2月、土日2日間で延べ11時間を超える集中講義であった。この時もそうであったし、地方のプロダクション合同の著作権研修会などでも経験することだが、プロとしてコンテンツの制作や流通を行っている人たちでも、関係する諸権利の内、何が著作権で何が著作権でないかが十分に分かっていないことがよくある。そこで、本コラムでは、著作権システム及び著作権対応の基本について、コンテンツ発信を目指す人たちのための解説を行っていく。
上原 伸一
プロフィール
元朝日放送著作権部長、民放連著作権専門部会委員として権利者団体の交渉等に当たる。1997年から著作権関係条約討議のため、WIPO(世界知的所有権機関)に出席。文化庁文化審議会著作権分科会国際小委委員会委員、国士舘大学知財大学院客員教授。個人プロデューサー。ミクロネシア研究家。